スサノオノミコト(須佐之男命)のご利益とは何でしょうか。
また、スサノオノミコトはどんな神様なのでしょうか。
スサノオノミコト(須佐之男命)という名前は知っていても、知らないことがたくさんあるのでは。
今回は、さまざまな名前があることでも知られる神様・スサノオノミコトについてお伝えします。
神話のエピソードもわかりやすくご紹介!
では早速、スサノオノミコト(須佐之男命)のご利益から見ていきましょう。
Contents
スサノオノミコト(須佐之男命)のご利益は?
スサノオノミコト(須佐之男命)には、次のようなご利益があるといわれています。
- 厄除け
- 水難除け
- 病難除け
- 火難除け
- 五穀豊穣
- 文学・学問上達
- 縁結び
- 開運
スサノオノミコトには、たくさんのご利益がありますね。

こんなにたくさんのご利益があるといわれるスサノオノミコト(須佐之男命)。
いったいどんな神様なのでしょうか。
スサノオノミコトはどんな神様なの?
スサノオノミコトは、日本神話に登場する、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治したことで知られる神様です。
八首八尾の怪物である八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治し、クシナダヒメノミコトを助けた神話は有名ですね。
そのため、たくさんのご利益(御神徳)の中でも特に、厄除けや水難除けのご利益が知られています。
スサノオノミコトは国造りの神様であるイザナギの禊(みそぎ)によって生まれた三貴神のうちの一神。
天照大神(アマテラスオオミカミ)と月読命(ツキヨミノミコト)とは兄弟神となります。
次に、スサノオノミコトの神格を見てみましょう。
スサノオノミコト(須佐之男命)の神格
スサノオノミコト(須佐之男命)の神格は、次の通りです。
- 農業の神
- 防災除疫の神
- 歌人の神
農業の神・防災除疫の神・歌人の神というように、スサノオノミコトの神格は多岐にわたっています。
そういえば、スサノオノミコトのご利益も多岐にわたっていましたね。
頭が良く、正義感が強い英雄のような神様のイメージがあるスサノオノミコト。
でも実は、スサノオノミコトは多面性のある神様なのです。
スサノオノミコトにはさまざまな神話が。
神話のエピソードを知ると、スサノオノミコトが多面性のある神様だということがわかりますよ。
ではどんな神話があるのでしょうか。
スサノオノミコトにまつわる神話のエピソード

スサノオノミコトにまつわる神話のエピソードをわかりやすくご紹介します。
泣き続けて地上から追放されたスサノオ
イザナギの禊(みそぎ)によって生まれたスサノオノ。
父神であるイザナミから海原の支配を命じられます。
ところが、スサノオは何もせずにただただ泣いているばかり。
しかも泣いている理由は「母であるイザナミノミコトに会いたい。」という理由なのです。

スサノオがあまりにも激しく泣き続けるので、地上の海も川も干上がり、木々は枯れ果ててしまいます。
それだけではなく、スサノオが泣き続ける間に悪の神をはびこらせてしまうことになります。
そして、地上に多くの災いが起こってしまうのです。
その結果、イザナギを怒らせることに。
スサノオは、とうとう地上を追放されてしまいました。
アマテラスを訪ねて高天原へ
イザナギから地上を追放されたスサノオは、姉神であるアマテラスが住む高天原へ訪ねていきました。
アマテラスは、やんちゃな弟神であるスサノオが「自分の地位を脅かしにやって来たのでは?」と疑います。
そんなつもりではないスサノオは、身の潔白を証明するために、アマテラスと誓約(うけい)を行うことにしました。
誓約とは神聖な占いのこと。
この時の誓約が、「アマテラスとスサノオの誓約(うけい)」です。
誓約(うけい)を行って無事に疑いが晴れたスサノオは、高天原に住むことを許されました。
ちなみに、この時スサノオの剣から生まれたのが、宗像三神と呼ばれる三姉妹の神様です。
乱暴なふるまいでアマテラスを怒らせる
誓約によって高天原に住むことを許されたスサノオですが、その後次々と乱暴なふるまいをします。
例えば、アマテラスが作った田んぼの畔(あぜ)を崩したり、神殿に糞をしてしまったり…。
手の付けられないいたずらばかりしてしまいます。
そして、いたずらはどんどんエスカレートしていきます。
ついには馬の皮を剥ぎ、アマテラスたちがいる機織りの小屋に投げ込んでしまうという乱暴ぶり。
そのショックで機織をする娘の一人は亡くなってしまいました。
そして、スサノオのあまりの恐ろしさにアマテラスは天岩戸に引きこもってしまいます。
それが有名な「天岩戸神話」です。

高天原を追放されたスサノオは出雲へ
高天原で神々の怒りにふれ、髭と手足の爪を切られたスサノオ。
放浪したのち、出雲の地に降り立ちます。
出雲の地に降り立ったスサノオは、足名槌(アシナヅチ)と手名槌(テナヅチ)という夫婦と出会います。
夫婦は、娘が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の生贄にされそうになり困っていました。
そこで、スサノオは八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治することに。
八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治したスサノオ
スサノオは、知恵をしぼって八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治することに成功します。
まず、八岐大蛇(ヤマタノオロチ)に大量の強いお酒を飲ませました。
そして、眠っているところを十拳剣(とつかのつるぎ)で切り刻んだのです。
八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治したスサノオは、無事に夫婦の娘を助けることができました。

スサノオは、防災除疫の神としても知られるように。
イナダヒメノミコトと結婚して出雲で暮らすスサノオ
スサノオが出会った足名槌(アシナヅチ)と手名槌(テナヅチ)という夫婦の娘は、イナダヒメノミコトです。
八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治したスサノオは、その後、イナダヒメノミコトと結婚しました。
そして、出雲の「須賀」という地に宮殿を建てて幸せに暮らしたということです。
「須賀」という地名は、出雲に宮殿を建てる時にスサノオが言った言葉に由来しています。
スサノオは、「この地に来て、心がすがすがしくなった」と言い、その土地を「須賀」と名付けたといわれています。
また、スサノオは、宮殿を建てる時に日本で最初の和歌を詠んだともいわれています。
「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を」
スサノオは、幾重にも重なる雲の様子を見てこのように詠みました。
そして、その日本で最初の和歌を、妻であるイナダヒメノミコトに送ったのです。
このエピソードによって、スサノオは歌人の神といわれるようになります。
イナダヒメノミコトと仲睦まじく暮らし、イナダヒメノミコトの両親である足名槌(アシナヅチ)と手名槌(テナヅチ)も大切にしたスサノオ。

こんな風に数々のエピソードがあるスサノオノミコト。
たくさんの名前で呼ばれています。
スサノオノミコトのさまざまな名前

スサノオノミコトのさまざまな名前の漢字と読みを下記に挙げました。
健速須佐之男命(古事記たけはやすさのおのみこと)・素戔嗚尊(日本書紀すさのおのみこと)・須佐之男命・素戔嗚尊・須佐乃袁命・須佐能乎命・牛頭天王・祇園様・八坂様
【名前のかな読み】
たけはやすさのおのみこと・たけはやすさのをのみこと・すさのおのみこと・ごずてんのう・ぎおんさま・やさかさま
このように、スサノオノミコトはさまざまな名前で呼ばれていますが、同じ神様です。
スサノオノミコトは日本全国の多くの神社でお祀りされています。

では最後に、スサノオノミコト(須佐之男命)がお祀りされている神社をいくつかご紹介します。
須佐之男命(すさのおのみこと)がお祀りされている神社

日本各地のさまざまな神社で、主祭神・配祀神としてお祀りされている須佐之男命(すさのおのみこと)。
ほんの一部ですが、いくつかの神社を挙げてみました。
須佐之男命がお祀りされている神社
神社名(50音順) | 鎮座地 |
---|---|
宇都野神社(うつのじんじゃ) | 兵庫県美方郡 |
神田明神(かんだみょうじん) | 東京都千代田区 |
祇園神社(ぎおんじんじゃ) | 兵庫県神戸市 |
熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ) | 和歌山県東牟婁郡 |
久武神社(くむじんじゃ) | 島根県出雲市 |
須佐神社(すさじんじゃ) | 島根県出雲市 |
素盞嗚神社(すさのおじんじゃ) | 東京都荒川区 |
素盞嗚神社(すさのおじんじゃ) | 広島県福山市 |
田無神社(たなしじんじゃ) | 東京都西東京市 |
秩父今宮神社(ちちぶいまみやじんじゃ) | 埼玉県秩父市 |
津島神社(つしまじんじゃ) | 愛知県津島市 |
氷川神社(ひかわじんじゃ) | 埼玉県さいたま市 |
西宮神社(にしのみやじんじゃ) | 兵庫県西宮市 |
日御崎神社(ひのみさきじんじゃ) | 島根県出雲市 |
廣峯神社(ひろみねじんじゃ) | 兵庫県姫路市 |
八重垣神社(やえがきじんじゃ) | 島根県松江市 |
八坂神社(やさかじんじゃ) | 京都府京都市 |
六所神社(ろくしょじんじゃ) | 東京都世田谷区 |
まとめ
今回は、さまざまな名前があることでも知られるスサノオノミコト(須佐之男命)のご利益などについてお伝えしました。
スサノオノミコト(須佐之男命)のご利益をもう一度見ておきましょう。
- 厄除け
- 病難除け
- 火難除け
- 水難除け
- 五穀豊穣
- 文学・学問上達
- 縁結び
- 開運
たくさんのご利益がありますね。
神話のエピソードからも、スサノオが本当に多面性のある神様だとわかりました。

神社へ参拝した時にスサノオノミコト(須佐之男命)がお祀りされていたら、ぜひ神話のエピソードも思い出してくださいね ♪