弥都波能売命(みつはのめのみこと)は何の神様なのでしょうか。
日本にはたくさんの神様の名前があるので、なかなか覚えられないですよね。
今回は、弥都波能売命(みつはのめのみこと)という名前の神様をご紹介します。
弥都波能売命の驚きの誕生の秘密もぜひご覧ください。
弥都波能売命(みつはのめのみこと)は何の神様?
弥都波能売命は水の神様です。
水に関係する一切の物事についての神とされていて、井戸の神様や降雨・止雨の神様でもあります。
また、灌漑用水の神様・紙漉の神様・安産の神様としても知られています。
そしてもう一つ、弥都波能売命は農耕の神様としても知られています。
弥都波能売命が農耕の神様とされる理由は、弥都波能売命の驚きの誕生の秘密に隠されています。
弥都波能売命(みつはのめのみこと)・驚きの誕生の秘密!
弥都波能売命(みつはのめのみこと)の驚きの誕生の秘密。
それは、弥都波能売命が母神の尿から生まれたことです。

かなり驚きますよね。
でも実は、母神の排泄物から生まれる神様は多くいらっしゃいます。
例えば、和久産巣日命(わくむすびのみこと)も、弥都波能売命(みつはのめのみこと)とともに、母神の尿から生まれたといわれています。
母神とは伊弉冉命(いざなみのみこと)のことです。

尿といえば、まだ化学肥料がない頃から、有機農業で肥料としての大切な役割がありました。
弥都波能売命(みつはのめのみこと)は、伊弉冉命(いざなみのみこと)の尿から生まれたということで、農耕の神様としても崇められるようになったのです。
では、弥都波能売命(みつはのめのみこと)とはどのような神様なのか、もう少し詳しく見てみましょう。
弥都波能売命(みつはのめのみこと)とは?
弥都波能売命(みつはのめのみこと)とは、『神生みの神話』で誕生した女神です。
『神生みの神話』は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)にまつわる神話。
神話の一部分をご紹介します。
それはもう、あまりにひどい火傷で伊弉冉尊は苦しみました。
そして、苦しみながら排泄した物から、さらに数人の神々が生まれたのです。
その数人の神々のうち、伊弉冉尊の尿から生まれたのが弥都波能売命です。
弥都波能売命(みつはのめのみこと)は、伊弉冉尊(いざなみのみこと)の尿から誕生したことから、火を鎮める水の神となったのです。
弥都波能売命の名前には、川の水からイメージした「水が走る」・「水が這う」とい意味が込められています。
水というと、人間の生活には欠かせないもの。
昔から水で田畑を潤したり、生活用水として使われています。
このため、水の神である弥都波能売命は、井戸の神様、降雨・止雨の神様、灌漑用水の神様、農耕の神様として人々から崇められてきました。
そして水は全ての産みの原点ということから、弥都波能売命は安産の神様としても知られています。
また、水は紙漉きにも欠かせません。
福井県越前の岡太神社(おかもとじんじゃ)では、弥都波能売命は紙漉の神様としてお祀りされています。
ところで、水の女神である弥都波能売命。
人間の前に現れる時、どのような姿をしていると思いますか?
実は、水の清らかなイメージにふさわしい乙女の姿をしているそうです。

弥都波能売命は他の神様と同様に、名前の漢字や読みに、多くの別名・別称があります。
下記に、弥都波能売命の名前の漢字や読みと御神徳を挙げてみました。
弥都波能売神(古事記みづはのめのかみ)・罔象女神(日本書紀みつはのめのかみ)・罔象女・水波能女神・弥都波能女神・罔象女命・水波能売神・水波能売命・水波能賣命・弥都波能売命・彌都波能賣命・水波之女命・水速女命
【名前の読み】
みつはのめのみこと・みづはのめのかみ・みづはのめのみこと・みつはのめのかみ・みずはのめのかみ・みずはのめのみこと・みずはやのめのみこと
【御神徳】
祈雨、止雨、治水、商売繁昌、子宝、安産・農耕守護
弥都波能売命(みつはのめのみこと)は、日本各地の神社で主祭神や配祀神としてお祀りされています。
では、弥都波能売命(みつはのめのみこと)をお祀りしている神社はどこでしょうか。
弥都波能売命(みつはのめのみこと)をお祀りしている神社はどこ?
日本各地のさまざまな神社で、主祭神・配祀神としてお祀りされている弥都波能売命(みつはのめのみこと)。
いくつかの神社を挙げてみました。
神社名(50音順) | 鎮座地 | 社・神様の名前など |
---|---|---|
愛宕神社(あたごじんじゃ) | 東京都港区 | 配祀・罔象女命(みずはのめのみこと) |
雨宮坐日吉神社 | 長野県千曲市 | 左相殿 |
石船神社(いわふねじんじゃ) | 新潟県村上市 | 水波女命(みずはめのみこと) |
大井神社(おおいじんじゃ) | 静岡県島田市 | 彌都波能売神(みつはのめのかみ) |
岡太神社(おかもとじんじゃ) | 福井県越前市 | 川上御前・大瀧神社の摂社 |
神田明神(かんだみょうじん) | 東京都千代田区 | 末社・魚河岸水神社 |
金立神社(きんりゅうじんじゃ) | 佐賀県佐賀市 | 上宮・罔象女神(みつはのめのかみ) |
建水分神社(たけみくまりじんじゃ) | 大阪府南河内郡 | 左殿左室・罔象女神(みつはのめのかみ) |
椿ノ海 水神社 | 千葉県匝瑳市 | 弥都波能女命 |
丹生川上神社(にうかわかみじんじゃ) | 奈良県吉野郡 | 本殿・罔象女神(みづはのめのかみ) |

まとめ
今回は、弥都波能売命(みつはのめのみこと)という名前の神様をご紹介しました。
弥都波能売命は水の神様です。

日本各地の神社にはさまざまな神様がお祀りされています。
お祀りされている神様が何の神様なのか知ったうえで参拝すると、よりご利益がいただけるかもしれません。