市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)のご利益をご存知でしょうか。
日本各地の神社でお祀りされている市杵島姫命。
美しい女神さまだということはよく知られていますね。
市杵島姫命がどんな神様なのか、さらに詳しく知ってみませんか?

今回は、市杵島姫命のご利益や、お祀りしている神社などをご紹介します。
では早速、市杵島姫命のご利益から見ていきましょう。
Contents
市杵島姫命のご利益は?

市杵島姫命には下記のようなさまざまなご利益があるといわれています。
- 芸術・芸能
- 金運・財運
- 良縁
- 知恵
- 弁舌
- 戦勝
- 厄除
- 豊漁
- 海上安全・航海安全
- 子孫繁栄 など
中でもよく知られているのは、金運アップや音楽や技芸などをはじめとする芸事の上達などのご利益です。
神社によっては個人的に「美のパワー」を強く感じるパワースポットもあります。
では、市杵島姫命をお祀りしている神社はどこにあるのでしょうか。
市杵島姫命をお祀りしている神社は?

市杵島姫命をお祀りしている神社は、日本全国に8,500社といわれるほどたくさんあります。
中でも代表的な神社は2社です。
市杵島姫命をお祀りしている代表的な神社
市杵島姫命をお祀りしている代表的な神社は、九州・福岡県にある宗像大社(むなかたたいしゃ)と、安芸の宮島で有名な広島県にある厳島神社(いつくしまじんじゃ)です。
宗像大社は「宗像三女神」をお祀りしている総本宮。
日本神話に登場する日本最古の神社の一つでもあります。
八百万神(やおろずのかみ)の中で、唯一の三姉妹の神様です。
その「宗像三女神」のうちの一柱が市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)なのです。
宗像大社の辺津宮(へつぐう)には、市杵島姫命が御祭神・市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)としてお祀りされています。
また、厳島神社の御本社には御祭神として「宗像三女神」がお祀りされています。

そして、宗像大社と厳島神社以外にも市杵島姫命をお祀りしている神社がたくさんあります。
そこで、わかりやすく一覧表にしてみました。
市杵島姫命をお祀りしている神社(寺)一覧表
市杵島姫命をお祀りしている神社の中から、何社かを一覧表にしてみました。
また、一部、弁財天としてお祀りしているお寺を含みます。
神社名のリンク先は、各神社の詳細ページとなっています。
神社名 | 社 | 住所 |
---|---|---|
宗像大社 | 辺津宮 | 福岡県宗像市田島2331 |
厳島神社 | 御本社 | 広島県廿日市市宮島町1-1 |
網走神社 | 本殿 | 北海道網走市桂町2-1-1 |
伊射波神社 | 本殿 | 三重県鳥羽市安楽島町字加布良古1020 |
市杵島神社 | 本殿 | 滋賀県高島市朽木大野161 |
井の頭弁財天 | 本堂 | 東京都三鷹市井の頭4-1 |
宇佐神宮 | 二之御殿 | 大分県宇佐市南宇佐2859 |
江島神社 | 中津宮 | 神奈川県藤沢市江の島2-3-8 |
志摩神社 | 本殿 | 和歌山市中之島677 |
田島神社 | 本殿 | 佐賀県唐津市呼子町加部島3965-1 |
竹生島神社 | 本殿 | 滋賀県長浜市早崎町1821 |
丹生都比売神社 | 第四殿 | 和歌山県伊都群かつらぎ町上天野230 |
氷室神社 | 本殿 | 兵庫県神戸市兵庫区氷室町2-15-1 |
姫坂神社 | 本殿 | 愛媛県今治市宮下町3丁目1504 |
本城厳島神社 | 本殿 | 栃木県足利市本城2-1860 |
松尾大社 | 本殿 | 京都府京都市西京区嵐山宮町3 |
宗像神社 | 本殿 | 京都市上京区京都御苑9 |
四宮神社 | 本殿 | 兵庫県神戸市中央区中山手通5-2-13 |

では次に、市杵島姫命がどんな神様なのか見ていきましょう。
市杵島姫命はどんな神様?

市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)は、美しい水の神様です。
アマテラスとスサノオの誓約(うけい)によって生まれた「宗像三女神」うちの一柱で、中でも一番の美人だとか。
仏教の弁財天(べんざいてん・七福神のひとり)と同一神だとされています。
ではここで、アマテラスとスサノオの誓約(うけい)によって生まれた「宗像三女神」についてご説明します。
「宗像三女神」について
「宗像三女神」とは、アマテラスとスサノオの誓約(うけい)によって生まれたとされる美しい三女神のことです。
「宗像三神(むなかたさんしん)」とも呼ばれます。
アマテラスオオミカミは、やんちゃな弟神・須佐之男命が「自分の所へ攻め込んできたのでは」と疑います。
攻め込むつもりなどない須佐之男命は、自らの身の潔白を証明するために、天照大御神と誓約(うけい)を行うことに。
それがアマテラスとスサノオの誓約(うけい)です。
誓約(うけい)とは、神聖な占いのことをいいます。
アマテラスとスサノオの誓約(うけい)では、まず、生まれてきた子が女の子なら須佐之男命が攻め込んできたのではないと決めました。
アマテラスとスサノオは、お互いに持っていたものを交換して誓約(うけい)を行います。
須佐之男命が持っていた十拳剣(とつかのつるぎ・十束剣)はアマテラスへ。
そして、天照大御神が持っていた八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)はスサノオへ。
天照大御神は、須佐之男命の十拳剣(とつかのつるぎ・十束剣)を噛み砕いて霧を吹き出しました。
すると、吹き出した霧の中から三姉妹の神様が生まれたのです。
生まれてきた子が女の子だったので、無事に須佐之男命への疑いが晴れたということです。
天照大御神が須佐之男命の十拳剣(とつかのつるぎ・十束剣)を噛み砕いて吹き出した霧から生まれた三姉妹の神様は、次の「宗像三女神」です。
- 多紀理姫命(たぎりひめのみこと)
- 市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
- 多岐都姫命(たぎつひめのみこと)
その後、アマテラスオオミカミは「宗像三女神」に、北九州の玄界灘に降り海の守護神となるように命じました。
朝廷の使者たちは、必ず航海の安全を「宗像三神」に祈願したといいます。
こうして、「宗像三神」は絶大な神力で荒れ狂う海を鎮める海の神・航海安全の神・豊漁の神として崇拝されるようになりました。
現在も、「宗像三女神」は日本の代表的な海の神様として知られています。
また、アマテラスオオミカミは、孫である邇邇芸命(ニニギノミコト)が地上へ降臨する時に、「宗像三神」にお守りするように命じます。
のちに邇邇芸命(ニニギノミコト)が立派に成長したことから「子供の守護神」としてもお祀りされるようになりました。
弁財天と同一神とされるようになった市杵島姫命
もともとは、海の神様として崇拝されていた市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。
その後の神仏習合によって「弁財天」と同一神とされるようになり、財福の神・芸能の神・美容の神としてもお祀りされるようになっていきます。
弁財天はもともと、インド神話に登場するヒンドゥー教の「サラスヴァティー」という川の女神さまです。
インドや中国を経て日本に入ってきたといわれています。
弁財天といえば、特に金運アップのご利益が知られていますね。

市杵島姫命と弁財天はどちらも水の神様であることや、大変美しい女神さまという共通点から同一視されるようになったといわれています。
このため、市杵島姫命のご利益として、金運や財運などのご利益が加わったのです。
そして、神仏習合により、弁財天が本尊とされることが多くなりました。
のちの神仏分離令によって再び、市杵島姫命を御祭神とする神社もあります。
でも、そのまま弁財天をお祀りしている神社も。

まとめ

今回は、市杵島姫命のご利益や、お祀りしている神社などをご紹介しました。
市杵島姫命は美しい水の神様。
金運アップや芸術に関するご利益から子孫繁栄まで、さまざまなご利益をいただくことができます。
ぜひ、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)がお祀りされているパワースポットへ参拝してみて下さいね♪